7週目:罪による無秩序な反乱

week-7(PDF File)

第3週と第4周の霊操で、神は自分の歴史を調和的に創造してくださることに気付き、さらに第5週と第6週の霊操で、自分の歴史は神の全体のご計画の中に位置づけられていることを見てきました。今週の霊操では、別の観点で自分の歴史を見ましょう。それは、悪霊の力によってこの世界は神を拒否して、神の創造の計画から離れてしまっている状態です。自分の歴史はそのような世界の中におかれています。

この世界における罪の支配を見ることによって、悪霊がどれほど自分を騙していたか、又悪霊はどのように神に反逆するようにと自分を導いたか、それに気付くことが今週の霊操の中心です。しかし、今週の霊操では、現在の世界における「社会的な罪」をあいまいに捉えるのではなく、いかに自分が「社会的な罪」に加担しているかを意識し、自分にも責任があることを見ていきます。特に、今週の中心は、神はこの世に対して常に恵みを与えてくださるのに、自分は無意識に、あるいは意識的にその神の恵みを無視し、この世におけるまったく傲慢な態度に参与していることを見極めることです。今週の霊操では、罪の支配の力をもっと意識することができるように、と同時にイエス・キリストの死、受難、復活において、自分の罪に対してどれほど神の憐れみと愛があるか、それを知るための恵みを望んでください。

このように、今週の課題は2つあります

  1. 罪の事実における「悪霊の支配力」への意識、と同時に
  2. 罪の支配と死の脅威から解放してくださったキリストの十字架の意味です。

自分と神との関係を切り離そうとしている悪霊の働きを意識するために、罪に対する理解、知識を持つだけではなく、むしろ罪に対する意識を持つことが重要です。しかし、それは個人的な「罪の意識」だけで捉えられるものでもありません。今週の霊操で、最も重要だと思うところは、現代の文化において、人々は「罪意識」をあまりにも感じていないことです。それだけではなく、罪意識そのものが現代人の心の奥にないとも言えるでしょう。

今までの霊操では、自分とこの世の創造の歴史を見極めながら、神の恵みに丁寧に触れてきました。今週、この世が常に神の恵みによって生かされているのに、悪霊の力によって、この世は創造の目的より、むしろ神の創造に反する方に傾き、不正や乱用による悪行、権威に対する貪欲と権勢欲の方に偏っていることを深く見ていきます。

罪の支配に脅かされるこの世界において、実際に悪霊の支配は様々な姿で現れています。例えば、暴力の行為によって人間の尊厳はひどく傷つけられ、不正や政治的不祥事によって、社会における人間関係も堕落しています。等々、そういった巨大な影響を与える悪霊の力はこの世界における「罪」の原因であり、それをもっと広い範囲の中で見極めることが今週の霊操の課題です。

今週の霊操の目的は、我々の世界を惑わし、悪役を果たしている罪人たちを攻めるためではありません。今週、最も望むべき恵みは、人間の出来事の中で(自分も含めて)、罪の道に導く悪霊の働きがどれほど積極的なものであるか。また、神の恵みに感謝する代わりに人間の自尊心を無秩序に混乱させているか、そういったことに気づくことです。そして、自分は直接的・間接的にそのような状況に参与していることを見抜ける力をも望んでください。

しかし、神の慈悲深い愛なしに、自分ひとりでこの世界における悪霊の支配力と闘うことができるはずはありません。全ての悪霊との闘いが可能なのは、十字架につけられ復活し、救いを成し遂げられたキリストの勝利があるからです。

悪霊の支配力を意識すればするほど、ますます神の慈悲深い愛と寛大さが分かってきます。神の慈しみに感謝し、毎日の霊操を行なってください。

祈りの要点

*恵み:この世にどのような悪・罪があるかを深く悟ることができるように。

第1~2日(町を歩きながら、まわりにどのような苦しみがあるかを味わう)

  • 街角にいる野宿者、たむろしている若者、公園に一人座っている老人などをよく見る。その人の苦しみを想像し、それを自分も味わってみる。
  • 自分の近所の人・親しい人の中で、とても困っている人のことを思い出す。彼らはなぜそんなに苦しんでいるのか。彼らの気持ちになって、その苦しみを味わう。
  • ボランティアの時に出会う人々と、何かの関係で助けたことのある人々を思い出し、彼らの本当の苦しみは何かを思いめぐらしてみる。

第3~4日(世界にどのような苦しみがあるかを味わってみる)

  • 新聞やテレビのニュースに出てくる苦しんでいる人々のことを思いめぐらす。例えば、災害や戦争で苦しんでいる人々、不況や病気で苦しんでいる人など。
  • テレビ、雑誌の中から、どのような悪を感じるだろうか。現代人が抱えている病気は何だろうか。消費主義、物質主義、快楽主義、競争主義、個人主義など。
  • 現代の自然破壊を思い浮かべる。ダイオキシンや環境ホルモンの問題、森林破壊や原発・核廃棄物など。神が創造された世界をいかに私たちが破壊しているか。

第5~6日(人類歴史の中の罪を祈る)

  • 戦争の悲劇。第2次大戦のとき、多くのアジア人がなくなったこと。また沖縄でも多くの日本人がなくなった。原爆でなくなった人々の苦しみ。
  • 人権差別。日本における、他のアジア人、滞日外国人への差別。女性差別、老人差別、障害者差別など。その中で、弱い立場の人がどれほど苦しんできたか。
  • 構造的な悪。金持ちや権力者がすべてを支配して、貧しい人・弱い人はつねに圧迫されてきた歴史。現代でも、不況で一番苦しんでいるのは、社会の底辺にいる人々。野宿をしている人々。

第7日(十字架上のキリストへの祈り)

  • 十字架上のキリストを思い浮かべ、それを前にして次のように祈る。
  • キリストは神であったのに、なぜこのような十字架の苦しみを味わったのか。
  • 自分に問いかけてみる。この十字架につけられたキリストに対して、

①      自分は何をしてきたのか。

②      自分は何をしているのか。

③      自分はこれから何をすべきなのか。

ポイント

  • 現実に存在する悪を(五感を使って)味わい、心で感じること。さらにその奥にある深い罪を、頭を使って思いめぐらすこと。五感に関して、第3週目の案内(6~7頁)を参考にしてください。

他の聖書箇所

  • ローマ書 1~4、7:14~25、Iヨハネ 1:5~2:2、1:8-9

参考資料

(イシドロ・リバス、『祈りを深めるために』その2)

  • 「愛された罪人 - 煩悩の中でも愛する神」、32~33頁。
  • 「罪の三つのレベル」、33~34頁。
  • 「罪の社会的な側面」、44~45頁。
Print

One Response

Write a Comment»
  1. magdalena

    孤独はとても大きな苦しみだと思う。十字架のイエズス様も苦しまれた。私も身震いしてしまうような大きな孤独を感じたことがあった。それは生活の苦しみと重なった時、ものすごく大きな苦しみとなる。食、住居、職、病気、暴力、戦争、等など。それによって苦しみは大きなものになっていく。悪霊によって適正な判断でなく踊らされている私達。
    主はこの世を平和で満たしたいと思われている。現実はあまりにもかけ離れた世の中。喘ぎ苦しんでいる人たち、子供さえも
    それなのに私はその中で私自身の中にとても生ぬるいものを感じている。事なかれ主義、ファリサイ的傲慢、心を閉じている。あきらめ!心配しながら、勇気のない、チャレンジしない!沢山のお恵みを頂きながら蓄えている、差し出そうとしない私。
    あの2レプトンを差し出した女の人を思います。主よどうぞ私の心を開き、願い、差し出す勇気をお与えください。

Leave a Comment

You must be logged in to post a comment.